ライン

【 Story 〜 verse.04 とても個人的な物語 】

ライン

Story


インスタントコーヒーと昔恋人にもらったファイアーキングのマグカップ。
趣味に一貫性のない大量の本と、かつてカウンターカルチャーだったやはり大量のCD。
モンティ・パイソンのビデオとトレインスポッティングのポスター、
録りためたディスカバリーチャンネルのドキュメンタリー。

締切、原稿用紙、朝焼け、電話は鳴らない、春夏秋冬。それが今の生活の全て。

作家が「今ここにいる自分は、自分ではない」と気付くのは、それからほんの少し後のこと。

Cast

だてあずみ。(TRAPPER/Minami Produce)
芝原弘(黒色綺譚カナリア派)
浅見臣樹
大塚友里衣
石井舞
窪田壮史
チバアカネ
竜史

【あらすじにかえて、短い文章】

とても個人的な物語、ということなので少し個人的な文章を書いてみたいと思います。

今回は作家のお話です。作家が作家のお話を書くというのは少し気恥ずかしいのですが、
ずっと書きたかった物語なので、自分に近い主人公を選ぶのはなんだかとても自然な気がしています。
今回の主人公は、ある理由があって書けなくなってしまった作家の心の中の物語です。だから、『個人的な物語』です。

この物語は「失われてしまったもの」について書きたいと思っています。
そして、ひとつの物語を上演したあと、全く同じ物語を性別を反転して上演します。
この、「失われてしまったもの」と「性別の差」の2つは僕の心の中でとってとても近しい位置にあるようです。

最も自分の身近にあり、しかし決して交わらない決定的な差がそこにはあります。
だけど、恐れる必要はなにもない。あなたと私も、あれとこれも絶対に違うものだ、違う人間だ。だけれども、だからあなたをそしてこれを大事に思う。
そんな物語になれば幸いです。

南 慎介