◎【南慎介による勝手な戯曲のおはなし】日射しー家族の歴史ー第一部のみ◎

投稿日: カテゴリー: ドラマ>リーディング

作・長堀博士(楽園王)

キャスト・長女、日向 屋敷真優子/次女、日知 昆布鶏しこめ/三女、日刈 小林唯/若き日の父 芝原弘(黒色綺麗譚カナリア派/コマイぬ)/若き日の母 佐藤千夏/謎の男の子 村田望/絵描き 川﨑雄太郎

「日射しー家族の歴史ー第一部のみ」は楽園王という劇団の長堀博士さんが2006年、SPIRAL MOONという劇団に書いた「日射し」の長いプロローグとして、リーディング用に書き下ろされた脚本です。「今ではこちらの方が気に入っています」とは当の長堀さんのお言葉です。

2010年楽園王+で渋谷ギャラリー・ルデコにて、2015年島根県出雲にて「雲劇2015」の参加作品として上演されたようです。南が「是非ともこの作品を」とお願いしたのは、この戯曲を読んだ時にすぐ、ルーサイトギャラリーの2階から見る隅田川に乱反射する光を思い出したからです。つまるところ、そんな戯曲です。

特別なことは何一つ起こらないし、特別なひとは誰も出てきません。

こんなこと書いても実は登場人物が一人くらいスポーツ選手だったり社長だったり、なんて戯曲は山ほど見てきているのですが、本当にそれもないのです。
小さな、どこにでもある家族にでも起こりうる出来事、それの積み重ねでしかありません。
小劇場特有の歪んだ人物も、いびつな人間関係もありません。

ただそこに当たり前のように家族があって、だから傷ついたり悩んだり泣いたりするし、考えたり考えなかったり。今はいない人のこと、会えない人のことを考えて、毎日会う人のことに目が向かなかったりする。ロッキンチェアーの上で暖かい陽の光と優しさが揺れている。継続中で、未完成で、つまり私たちの物語です。

そんな戯曲です。南が「最もルーサイトギャラリーで観て欲しい」と思う戯曲。大切に、大切に上演したいと思っています。